上田現と狂市と俺の男をみる目と

スペースシャワーTVであった上田現追悼特集を録画していたので見る。
わわわ 現ちゃん恰好良すぎる。 しかし明らかに目は狂人。としか例えられないまるで赤ちゃんのような澄みきり方。すごく優しく喋ったり歌ったりする人なのに、すごく危うく見える。
きっと普段は普通のおっちゃんだろうに、どうしたってにじみでる異端と孤高。ちょっと岡本太郎を思わせる。天才と言われる人達の条件を見た気がした。
小学校高学年の時にバンドブームでレピッシュが大好きだった。そして自分はギターの狂市ファンだったけど(名字は杉本だったよね..子供ながらに結婚したいくらい好きだったから覚えとるよ..)
番組内で現ちゃんについて彼が話しているインタビューをみて ああ彼の事好きでよかったなと思った 狂市氏は現ちゃんが亡くなって悲しいのはくだらない話をして酒を飲んだりできなくなる事で彼の作品にはいつでも触れられてそれは悲しい事じゃない というような事を話した後、ふいにカメラ(現ちゃん)に向かって「なあ現ちゃん。阪神がやばいよ。えらい事になっとるよ どがんかせんといかんよ」(巨人に追いつかれてる時だったんでしょうね...)と言った。とても自然に。困ったように笑いながら。大切な人をなくして途方にくれた自分に照れてるみたいに。あまりにふいで笑ってしまった。悔しさや悲しさを嫌というほど感じた後人はどういう顔をするだろう。
大切な人を理不尽になくして私にあの顔ができるかな。
悲しんでる自分に酔わずに。 何かのせいにもせずに。
狂市氏は甘んじて受け入れて、でもやっぱり最後に、わかってても嘘やろ?って突っ込まずにいられないんだろう。ふざけた「ふり」をしながら。
どうしたってなにがあったって人は自分を生きていかないといかない。
そして、そのふざけたふりは自分の物語に起こる理不尽な出来事に対する 彼のささやかな抵抗なんじゃないかな。
その後彼は小さく深呼吸して黙って自分の物語に帰っていくのだろう。
そんなやり方(生き方??)大好きだ。小学校の自分を誉めてやりたい。