小規模な生活(入院回想編)

僕の小規模な生活(4) (KCデラックス モーニング)

僕の小規模な生活(4) (KCデラックス モーニング)

作者さんとは同じ年生まれ。夫婦物が好きな私はもちろん1巻から愛読してた。
けど もう3巻後半から 妻ちゃんの出産形態から息子ちゃんが黄疸だとか入院したとかその麻酔とかへの嫌悪感とか病院の施設が良くてレジャーみたいに楽しんでるとことか 自分の場合と 本当に 本当に ほぼ同じでびっくり。面白かったー。
ムスメも1歳2ヶ月のときに細菌感染の疑いで大学病院に1週間ほど入院したのですが症状が心配なものではなく、ほとんど念のためのMRIの検査の為の入院だった為 少し気が軽くて、漫画にあったように売店やレストランがすごく綺麗で充実していた病院だったのでちょっと毎日ウキウキ買い物してしまった覚えがある。子育て中心の生活になってレジャーとは無縁の状態だったので余計はしゃいだところもほんとに同じ。
付き添い入院はきつい部分もあったけど、なにより風呂が!病院の風呂がアパートの風呂より大きくて綺麗だったんです!!付き添い用の風呂だったので一回一回お湯を張るシステム・・。追い炊き設備がないことに日頃から憂いていた身には贅沢すぎた・・あれは幸せだった・・。それでもムスメの場合は、麻酔を飲ませるのではなく点滴する形で、「心配はない」とは言われても その麻酔にかかった姿はちょっと親にとってはショックだったり(酔っ払ったみたいになるんです。おかしくなってしまったような。最初の麻酔のとき相方は「ちょっと泣いてくる」と席を外した(おいおい!)2回目は相方と二人涙目で手をつないで終るのを待った。)検査のたびにものすごく泣いて暴れるのもかわいそうだったし(先生からものすごくパワーがありますね・・こりゃ大丈夫だと思いますが・・といつも言われて恥ずかしいやら)
つらかった事ももちろんあった。けど、仕事に復帰してしばらくしてからの頃だったので、ムスメは思いがけず一週間ずっと私と二人きりになれて検査以外はとっても幸せそうに見えた。 その後から不思議なことにぱったり病気しなくなったし・・。
実は、私の兄は生後すぐ心臓に異常が見つかって5歳のときに同じ病院で手術を受けている。なのでおかんは病院で子供を付き添うことに関して経験があった。
だから余計にだろうけど、おかんがなにかと世話を焼いてくれた。さすがにずっと売店の食事ではつらかったからおにぎりとか野菜の煮物とか差し入れてもらって嬉しかったし本当に助かった。
娘が生まれてすぐの頃、妊娠中に飲んだ薬のこともあって、色々なことを過敏に心配をする私に「自分は兄ちゃんの3ヶ月検診のときに心臓の異常をお医者さんから言われてそれはもう落ち込んだ。だから言える事は、まだ起こってもないことを心配してもしょうがない。それより今の目の前のこの子を精一杯みてかまってあげるほうが大事。もし、なにか異常があったとしてもそのときに考えればいい。そうやろ?確かじゃなか先んこと(先のこと)に心ば奪われてどがんすると。もっとすることがあるはずたい。」とよく一括されたものだ。経験に基づく言葉はなにより重く心に響いて、過剰な心配を改めたものだった。今の自分より若いその時のおかんの事を考えるといまでも背筋が伸びる思いがする。 
子供を産んでよく思う事は、子供にとって親ってもう「親」っていう存在なんだけど、ほんとはその前に親も一人の人間だっていうこと。言葉にすると全然当たり前なんだけど、実際はなかなかその考えに至らない。おかんはおかんなんだもの。きっとムスメもこの先ずっとそうなんだろうな。そしてそれは幸せなことなんだろうな。
そんなことも考えながら、入院中なんだか若かったおかんに寄り添うような気持ちにもなった。
症状が軽かったから言えることだけど、いい経験だった。
きっとおかんも私の世話を焼きながら自分の親に寄り添っているような気持ちになってるのかもしれない。最近そんなことも考える。
ちなみに妻ちゃんの出身地は九州の中でも自分のとことかなり近い気がする。
お父さんの方言なんかでそう感じる。「したっちゃんね」とか ぷぷ。