扉の向こう エレファントカシマシ/ロック歌手宮本浩次という生き方

扉の向こう [DVD]

扉の向こう [DVD]

義姉が正月に甥っ子の面倒を見た御礼なのか何なのかわからないのだけれど、このDVDをわざわざ送ってまで貸してくれた。義姉はミヤジが大好き。私はアルバムを全部持つほどの熱心なファンではないけれどエレカシはとても好きだ。(カラオケで本当にうまく歌えるのはエレカシの歌。相方の前でくらいしか歌わないけれど。男らしく歌い上げます)「扉」というアルバム製作中の宮本氏に追ったドキュメンタリーフイルム。
頭をかきむしって歌詞に苦悩する宮本 パスタをゆでる宮本 くわえ煙草で茶碗を洗う宮本(全財産をお金を管理していた人にだまされて盗られたって言う話はショックだった) 目をひんむいてメンバーにだめだしする宮本 いつものようにしゃべくりまくる宮本 首や腕の血管をうきだたせて歌を歌い上げる宮本 中年にさしかかったミヤジがそこからどういう歌を歌うのか苦悩していた。ロックとは基本的に初期衝動の音楽だからバンドを持続させるのって本当に難しいと思う。
そして最後にミヤジは「これから死に場所を探すそれが俺達の未来」というフレーズにたどり着いた。
年をとるということ。それは誰にとっても避けられない問題。アンチエイジングとか「アンチ」アンチエイジングだとかよく聞く。年をとるっていうことにあらがえばあらがうほど格好悪いのだろう。けれどあらがってあらがって一週回ってしまうと、あらがわず流されている人より格好よくなってしまうこともあるだろう。要はその人がたどる道筋が美しいか美しくないかだと思う。ミヤジの道筋は間違いなく私には美しかった。彼には守るものがはっきりとあってそのために日々髪をかきむしって嫌われようが執拗にダメだししてつばをとばして歌を歌って。「今日も俺は負けた」という歌を歌って。その守るものが彼にとってのロックなのかなんなのかは私にはわからない。ただ、その人にとってたどらざるを得ない道 というものがあるように私はいつも思っていて 彼はその道を引き受けて、しっかりと目を見開いて歩いていた。そんな人の後姿は本当に美しいといつでも私は思う。
後、ミヤジは本当に歌がうまい。エレカシの評価にどれほどこの歌のうまさがはいっているだろう。歌詞が評価されることが多いエレカシだけどこの歌声をみなに聞いてほしいな・・とか思っていたら画面の中のミヤジがレコーディング中にひとしきり歌い上げた後「・・歌、うまいなー。。」とつぶやいていたので笑ってしまった。
(なので歌詞のつく前のデタラメ言葉の状態の「歴史」が結構好きでした・・といったら方々から怒られるのでしょうけれど・・・)

             

夕ご飯の買い物のときに目の前でおっちゃんが半額にしてくれたおはぎが映画のお供でした。エレカシにはなんとなくおはぎかな。。と。。