「百万円と苦虫女」に心ゆさぶられまくり

百万円と苦虫女」を見に行く。 好き。 すごく好き。だ、だけれども。。あわわわわ。あ、あのラストはみなさん納得いったんでしょうか。「百万円と苦虫女」をキーワードにはてなのブログを見まくりましたが皆さんけっこう冷静。。そ、そうなのか。 ラストはちょっとおいといて。。すごく好きな映画でした。前科をもってしまった主人公が百万円を貯める毎に住む場所を転々としていくロードムービー。それは「自分探し」などではなく、「自分は自分でしかなくいやでもここにある。」と場所をうつればうつるほど自覚していく旅。毎日いじめられている弟くんの話もおりこみつつ展開していく。ピエール瀧がでていてびっくり。しかも愚鈍な桃農家の一人息子という役柄がどんぴしゃ。彼が蒼井優扮する主人公に別れ際自分の育てた「桃」を「これしかないだけんど」と手渡すシーンで涙。。「これしかない」は後ろ向きな「これだけしかない」ではない。「桃」は彼が愛しみ育てた自分の誇り。彼が彼女に渡すものはまさに「これしかないだろ」という意味なんだと思う。桃イコール彼は彼の「愛」を渡したのだと思う。
その後移り住んだ町で主人公は恋をする。相手役の中島君は森山未来。彼が素晴らしかった。。私、この男女が出会ってお互い好意をもってるけどどうよ?という駆け引きの時を経て恋人になっていく。。という過程をみせられると、もう身もだえしてしまう。苦手でもないし大好物でもないんだけど、なんなんだろうこの感覚。でも胸をとにかくかきむしられる思いがする。互いの好意を確認しあって並んで歩き出すときに手を、つな・・・ぐのか?つながない・・のか?よ、寄り添いだした。。あ、手が・・ふれる。。ふれあっている。。そしてつないだー!!!というシーンではもう椅子から転げ落ちそうでした。 でも、新しく彼らのバイト先に女の子が入ってから中島君の態度がおかしくなり、主人公にお金をせびるようになる。 ああ。。そして私、この恋人になったはいいいが、相手(特に男子)が徐々に心変わりをする様を見せられるともうこれまた心がちぎれるぐらい身もだえしてしまう。電話をしても今日は会えないと言われる日が増え、むなしく公衆電話の受話器をおく主人公。バイト先で新しい女子と仲良さげな彼をみつめる主人公。ああ。ああ。そして主人公はバイトをやめ町を出て行く決心をする。バイトをやめに来た主人公にいままで借りていたお金をかえす中島君。そして二人は別れる。中島君は主人公が前科者だと知っても、誰にも言ったことのない本当の心うちを話しても好きだといってくれた人だった。そういう人が現れたならきっと運命の人だと思っただろう。やっと自分の前に現れてくれたと思っただろう。それなのに彼も普通のよくいる男子だった。。やるせない思いを胸に主人公はまた一歩前に踏み出したのだと思う。またひとつ大人になった、ともいえるかもしれない。自分の理想の男子などいないのだ。。
し か し しかし。もう。もう一回展開するのです話がああ。
中島君がお金をせびってたのは主人公が百万たまって町を出て行かれるのがいやだったからというじゃないですか。そして主人公を自転車でマッハで追いかける。ああ。もう。ハッピーエンドじゃんか。
で も しかし もう一回お話は展開したのです 彼らは少しだけすれ違い、会えることなく、主人公は町を離れてしまう「くるわけないかっ」と自嘲気味なラストの台詞をはいて。あああ。もう 家で見てたら火サスをみるおかんなみに騒ぎまくっていたでしょう。心が、心がゆさぶられまくり。いや心を揺さぶるために映画ってみるようなものなのでその意味で大成功なのだけれど・・こ、これはどう解釈していいのか・・ふらふらで映画館を出る。もう本当にどうしていいかわからず思わず相方に電話して思いの丈をぶちまける。が。相方はひとしきり私が話してしまうと、忘年会でフレデイマーキュリーとして登場し、アドリブで歌って踊らないといけないが一体どうしたらいいかという最近の彼の最大の悩み事を延々話し出したので一気に醒める。もう知らん。
百万円と苦虫女」はもう一度見に行くと思います。