マルタのやさしい刺繍

マルタのやさしい刺繍 [DVD]

マルタのやさしい刺繍 [DVD]

水曜日は女子映画千円デイ。はしごしたいけどぐっとこらえて1本にしぼらないと。
id:platon427さんの「ベンジャミン・バトン」のレビューがすごくよかったので悩むが、今回はもう今週いっぱいで上映が終わってしまう「マルタのやさしい刺繍」を見ることに。ミニシアター系の映画って(に限らずですが)自分のそのときの状態との相性もあるのだろうけれど、時々、全然入り込めず スカッとすかされて終わることがあるので実はちょっと心配だった。なんかポスターとかそういうイメージの戦略にまんまとのせられてしまったように感じてしまうときがあるのだ。
でも、冒頭のマルタの食事シーンで インゲン豆とジャガイモかなにかのソテーの皿がドンとアップになったとき、「これは好きやろ!!」と、確信した。 素敵な映画だった。
未亡人になった80歳のマルタが男尊女卑の激しい村で昔の夢を思い出し、ランジェリーショップを興して成功していくお話。女はいくつになってもきっと、おしゃべりと甘いものととお花とおしゃべりが大好き。マルタ達が布の買出しに行ってカフェで甘いものを食べながらおしゃべりをするシーンからずっと泣いてしまってた。
泣けてしまうのは、マルタがこれまで結婚や子育て、夫の親や夫の介護そして死を そう 女の人生を。 この古い体質の村でそれを全うして、今やっと少女のような微笑をとりもどしているのだと思うから。(そういった描写はひとつもでてこないが)
自分がこの域に達するには後一体何回泣いたりわめいたり絶望したりしないといけないんだろうなんて考えてしまった。でも、こんな微笑が後に待っているなら頑張ろう。 ていうか微笑む事ができるよう頑張ろう。 女の人生を。